真夏の炎天下で、遺品整理の際に気を付ける事
真夏の炎天下での遺品整理は、想像以上に過酷です。
外は焼けつくような暑さ、室内は蒸し風呂のような湿気。体力も集中力も奪われ、無理をすると熱中症やケガの危険があります。
「涼しい室内だから大丈夫」
「水分を取っていれば問題ない」
そう思って作業を続けた結果、めまいや吐き気で動けなくなった…というケースも少なくありません。
この記事では、炎天下で遺品整理を行う際に絶対に気を付けるべきポイントを、現場経験や実例を交えて詳しくお伝えします。
安全に作業を進め、後悔しないための準備と工夫をぜひ覚えておいてください。
1. 真夏の炎天下で遺品整理が危険な理由
遺品整理は、荷物を片付けるだけではありません。
重い家具を動かしたり、大量の荷物を仕分けたりと、肉体的な負担が大きい作業です。そこに夏の高温多湿が加わると、体への負担は一気に増します。
主な危険要因
- 熱中症
体温が上がりすぎると、めまいや意識障害、最悪の場合は命の危険も。 - 脱水症状
汗で水分・塩分が失われ、筋肉のけいれんや倦怠感が起こる。 - 判断力の低下
暑さで集中力が落ち、転倒やケガのリスクが高まる。 - 蓄積疲労
真夏の作業は普段の倍以上疲れやすく、翌日以降に体調を崩すことも。
実際、夏場の遺品整理中に体調不良で救急搬送される事例は珍しくありません。
2. 作業時間の工夫で危険を回避
炎天下での作業は時間帯の選び方が命を守る鍵です。
適した時間帯
- 早朝(6〜9時)
気温が低く、作業効率が高い。 - 夕方(17時以降)
日差しが弱まり、比較的涼しい。
避けたい時間帯
- 午前10時〜午後4時
熱中症リスクが最も高い時間帯。どうしても作業する場合は短時間に区切りましょう。
ポイント
「今日はここまで」と決めて作業することが重要です。無理に一日で終わらせようとせず、複数日に分けることで安全性も効率も上がります。
3. 服装と装備の選び方
真夏の遺品整理では、服装と装備次第で体感温度や疲労度が変わります。
おすすめの服装
- 通気性の良い長袖・長ズボン
日焼けや虫刺され、ほこりから体を守る。 - 淡い色の衣服
暗い色は熱を吸収しやすく、体温が上がる。 - 速乾性インナー
汗を素早く吸収・蒸発させ、ベタつきを防ぐ。
必須の装備
- つば付き帽子(麦わら帽子や作業用キャップ)
- ネッククーラーや冷感タオル
- 作業用手袋(耐切創タイプ)
- 滑りにくい靴(安全靴やグリップ付きスニーカー)
4. 水分・塩分補給の徹底
水分補給は「喉が渇く前に」が鉄則です。
汗で失われるのは水分だけではなく、塩分も同時に補給しなければなりません。
効果的な補給方法
- 作業前から水分を摂る(コップ1杯程度)
- 30分〜1時間ごとにスポーツドリンクや経口補水液を飲む
- 塩タブレットや塩飴で塩分補給
注意
水だけを大量に飲むと低ナトリウム血症のリスクがあります。必ず塩分も一緒に摂りましょう。
5. 室内作業でも油断しない
真夏の空き家やエアコンのない部屋は、外気温よりも室温が高くなることがあります。
特に屋根裏や二階は熱気がこもり、40度近くになることも。
室内での対策
- 作業前に全ての窓を開けて換気
- 扇風機やポータブルクーラーを持ち込む
- 高温の部屋は短時間で作業し、こまめに外で休憩する
6. 重い荷物の運搬は特に注意
炎天下では筋力や持久力が落ち、普段は持てる荷物でも危険です。
安全に運ぶための工夫
- 二人以上で作業
- 汗で手が滑らないよう手袋を使用
- 家具や家電は解体してから運搬
- 無理せず回数を分けて運ぶ
7. 衛生面のリスク
夏場の遺品整理では、害虫やカビによる健康被害も増えます。
想定される危険
- ゴキブリやハエの発生
- カビやほこりによる呼吸器トラブル
- ネズミや害虫のフンによる感染症
対策
- マスク(N95推奨)とゴーグル着用
- 厚手のゴミ袋で密閉処分
- 害虫が多い場合は殺虫スプレーを用意
8. 感情面への配慮
炎天下では心身の余裕がなくなり、感情の整理が追いつかなくなることもあります。
遺品整理は故人との思い出に触れる作業でもあるため、精神的負担も大きいです。
心を守るための工夫
- 思い出の品は涼しい場所でゆっくり確認
- 作業を複数日に分ける
- 家族や友人と一緒に作業する
9. 専門業者の利用も選択肢に
炎天下での長時間作業は危険です。特に大量の荷物や大型家具の搬出が必要な場合は、遺品整理の専門業者に依頼するのも有効です。
業者利用のメリット
- 短時間で作業が完了
- 大型ゴミや危険物も安全に処分可能
- 熱中症のリスクを減らせる
10. まとめ
真夏の炎天下で遺品整理を行う際は、
- 作業時間を工夫
- 服装と装備で体温上昇を防ぐ
- 水分・塩分をこまめに補給
- 室内でも温度管理を意識
- 重い荷物は無理せず運搬
- 衛生面に注意
遺品整理は急がず、体調第一で行うことが大切です。
安全な環境を整え、心身の負担を減らして進めましょう。